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この記事では分詞構文の完了形を学んでいきます。
完了形を学ぶ前に、まずは分詞構文の復習から始めましょう。
分詞構文とは、現在分詞や過去分詞を用いて文に情報を付け加えるものです。
このように、現在分詞や過去分詞がカタマリを作って、文(主節)に情報を付け加えるのが分詞構文です。
例文を見てみましょう。
分詞構文の基本的な例文
Walking to the park, I saw a beautiful bird.
公園へ歩いているとき、美しい鳥を見ました。
この例文では、I saw a beautiful bird.という文(主節)に、Walking to the parkという分詞構文のカタマリが付け加えられています。
「私は美しい鳥を見た」という文に、「公園へ歩いているとき」という情報が付け加えられていますね。
分詞構文の説明は以下のページで詳しく解説しています。
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さて、それでは分詞構文の完了形について早速みていきましょう。
まずは分詞構文の完了形の作り方を見ていきます。
分詞構文の作り方はシンプルで、 having + 過去分詞 という形になります。
現在完了がhave + 過去分詞で、それが分詞構文だとhaving + 過去分詞になるんですね。
分詞構文の完了形はどういう意味なのでしょうか。
まずは以下を見てください。
このように、分詞構文を完了形にすることによって、 主節の動作よりも分詞構文のカタマリの動作が、前に行われていることを表す のが、完了形の分詞構文です。
完了の分詞構文
Having finished his homework, he went out to play.
宿題を終えたので、彼は遊びに出かけた。
Having finished his homeworkという部分が分詞構文の完了形ですね。
この動作が主節であるhe went out to playよりも前に行われていることを表しています。
完了形の分詞構文
Having eaten lunch, she went for a walk.
昼食を食べ終えて、彼女は散歩に出かけました。
ここでは、Having eaten lunchという部分が完了形の分詞構文ですね。
主節であるshe went for a walkよりも前に、昼食を食べ終えたという動作が行われていることを表しています。
完了形の分詞構文
Having lost his keys, he couldn't enter the house.
鍵をなくしてしまい、彼は家に入れませんでした。
Having lost his keysという部分が完了形の分詞構文ですね。
主節のhe couldn't enter the houseよりも前に、鍵をなくしてしまったという動作が行われていることを表しています。
完了形の分詞構文(受動態)
Having been told the news, she felt relieved.
その知らせを聞かされて、彼女は安心しました。
Having been told the newsという部分が完了形の分詞構文ですね。
受け身の意味を表したいときは、 having + been + 過去分詞 という形になります。
Having been told the newsで「その知らせを聞かされて」という意味になりますね。
それが主節であるshe felt relievedよりも前に行われていることを表しています。
完了形の分詞構文(否定)
Not having received any response, I sent another email.
返事をもらえなかったので、私はもう一通メールを送りました。
Not having received any responseという部分が完了形の分詞構文です。
このように、否定の形にすると not + having + 過去分詞 という形になります。
Not having received any responseで「返事をもらえなかった」という意味になりますね。
分詞構文の完了形の練習問題をいくつか用意したので、挑戦してみましょう。
分詞構文はフォーマルな表現のため、日常会話ではあまり頻繁に使われませんが、書き言葉や公式な文章ではよく見られます。
完了形の分詞構文(ビジネス文書)
Having reviewed the contract, the management team decided to proceed with the partnership.
契約書を確認した後、経営陣は提携を進めることに決定しました。
このように、ビジネス文書では、完了形の分詞構文が使われることがあります。
ここではHaving reviewed the contractで「契約書を確認した後」という意味になります。
それが主節であるthe management team decided to proceed with the partnershipよりも前に行われていることを表していますね。
完了形の分詞構文(ニュース記事)
Having been elected as the new mayor, she immediately began implementing her policies.
新しい市長に選出された後、彼女はすぐに政策の実施に着手しました。
他にも、ニュース記事で分詞構文の完了形が使われることがあります。
Having been elected as the new mayorで「新しい市長に選出された後」という意味になります。
それが主節であるshe immediately began implementing her policiesよりも前に行われていることを表していますね。
完了形の分詞構文(学術文書)
Having conducted the experiment, the researchers analyzed the data to draw conclusions.
実験を行った後、研究者たちはデータを分析して結論を導きました。
また、フォーマルな書き言葉の例として、学術文書での使用例もあります。
Having conducted the experimentで「実験を行った後」という意味になります。
それが主節であるthe researchers analyzed the data to draw conclusionsよりも前に行われていることを表していますね。
鈴木洋一朗 / Yoichiro Suzuki
大学では言語学(生成文法理論)を学び、学習塾や予備校で10年間英語教育に従事。その後、IT企業でマーケティング、プロダクト開発などを担当。2016年に当サイトを開設。